私は児童養護施設で育った当事者としての立場から、施設の中で暮らしていたときと退所後の社会に出てからの生活を振り返り、子どもたちに「本当に必要なことは何か」を考えてきました。
施設で暮らしていたときに、社会にでる準備として「教えてもらいたかったこと」、「勉強できたらよかったこと」を、ワークショップという形を通して子どもたち、現役の施設職員に伝える活動をしてきました。
また、障がい者就労支援事業所でも、同じ内容でワークショップをやらせていただいています。
以下にこれまでの活動実績を掲載します。
- 2014年8月26日 児童養護施設 横浜市内
『自分の夢や可能性に気づく』ビジョンマップワークショップ 対象:中学生 - 2015年5月10日 児童養護施設 横浜市内
『自分の夢や可能性に気づく』ビジョンマップワークショップ 対象:中学生 - 2018年2月3日 就労移行支援事業所 ティオ 船堀
『一生の宿題』ワークショップ 対象:精神障がい者 - 2018年4月14日 就労移行支援事業所 ティオ 船堀
『一生の宿題』ワークショップ 対象:精神障がい者 - 2018年10月20日 就労移行支援事業所 ティオ 船堀
『一生の宿題』ワークショップ 対象:精神障がい者
Contents
幸せ研究所の目的
自分の将来について、あるいは理想として描いている人生について具体的に表現し、それを他者に認めてもらう体験を通して、自分の将来に希望が持てること、また自分の人生は自分で作るものという意識のきっかけの機会とする。
児童養護施設ワークショップ内容
- 目的と手段の違い
- 環境や境遇のせいにしない
- 期待と裏切り
- 時代の流れと価値観
- 感情の処理の仕方
- 子供は大人に縛られている
- 安定した道はない、だからこそ好きなことをしよう
ワークショップ後のアンケート
1.今日はどうでしたか?
(子ども)
- 人生で一番大切なことを教えてもらった気がする
- 良かった
- 大人になったときの話が良くわかった
- 楽しかったです!ためになる話も多かったのですごくよかったです!
- 楽しかったです
- 前回よりも面白かったです。前よりも明確にいろいろできた!
(職員)
- 貴重な時間をありがとうございました。
- 映像を観ることでより子ども達にはわかりやすく、説明もわかりやすかったです。職員も考えさせられるものでした。
- 知りたかったことが知れました
- とても良い時間だったと思います
- 自分が選択した道は間違っていなかったこと
- 夢を持つこと、パワーが必要だと改めて思いました
2.一番、心や印象に残っていることはどんなことですか?
(子ども)
- 北野武の「勉強するから何をしたいかが分かる。勉強しないから何をしたいかが分からない
- マザーテレサの言葉
- チャレンジするから失敗する。だからチャレンジする
- 動画
- 最後の名言!あれはグッとくることが多かったです
- 映像です
- 美菜子さんの話。ビジョンマップ作ってるときの美菜子さんとの会話
(職員)
- 友人様が作ってくださった映像です。
- 子ども達へ行動してほしい、知ってほしい気持ちの重みと、最後の格言映像
- 堀江さん(ホリエモン)…極端だとは思いますが、言っていることは良くわかります。
- 大切に残していくべきもの、変えていくべきものーその選択をちゃんとできる人が増えないと平和はないっ!!と
3.気づいたことや発見したことはどんなことですか?
(子ども)
- 学校で教えられている事が全てじゃないってことです
- 時代は進化している。私は私でいればいい
- 大人になったときにどうすれば生きているのかが分かった
- やっぱり美容師はあきらめたくないと再確認!何度でもチャレンジしたいです。
- やりたいこととか、気持ちに嘘をついたらいけないこと。夢は持つこと。あきらめたくない!
(職員)
- 大人もいくつになっても可能性はあり、自分の人生は自分で切り開いていけるものだと改めて気づくことが出来ました
- 自分が選択した道は間違っていなかったこと
- 夢を持つこと、パワーが必要だと改めて思いました
4.ビジョンマップを作ってみて、どうでしたか?
(子ども)
- 適当に作ってたけど何となくわかった
- 日本と外国がこれからもっと仲良く出来たら…と思いました
- 自分の理想を感じた
- 大人になったときの為になった
- 楽しかったです。自分の好きな髪型もわかって良かったです
- とても楽しかったです
- 相変わらずIKEAしかやらないなって…。それほど家が欲しいのかな(汗
5.次回に希望することがあれば書いてください。
(子ども)
- 今回と同じ
- やる
- また美菜子さんに来てほしいです
- もっと美菜子さんと会話したい。話の時間を長めに下さい
(職員)
- ビジョンマップは定期的(半年~一年に1回)なペースで出来ると良いです。
- 社会に出てたいへんだったことや不安だったこと等、差支えなければ聞きたいです。子ども達にも経験談として話を
- してもらえたらと思います。
- 今日はありがとうございました!今日も自分の為にもなりました。
- これからもビジョンマップを発信してほしいです

教育とは何か
高校卒業を迎えると同時に進路をきめなければいけません。
その進路を決める基準は生活のためです。生活のための仕事をしていると、働くために生きている感覚に陥ります。
仕事が“手段”ではなく“目的”になってしまうと「自分は何のためにいきているのだろう」と、生きる目的を見失っていきます。
施設で暮らす子供たちはいわゆる普通の家庭の子よりも「できないこと」が多く選択肢が少ない状態です。
例えば習いごとなどです。つまり、興味を持ったことや得意なものを伸ばす機会がほとんどないのです。
やりたいことが明確になっている18歳は一般の家庭の子でも多くありません。
しかし、施設で生活をする子どもたちは、より夢にチャレンジすることに制限がかかってしまうのです。
このようなことから、施設入所時から「何をしたいか」よりも「どう生きたいか」を考える機会が必要と考えます。
精神障がい者の方に対しても、子どもと同じ内容で開催している理由は「子ども・大人・障がいは関係なく、全ての人に共通する」テーマだからです。
また、教育の現場に関わる職員の質も問われています。管理することが教育ではありません。
本来の教育とは
- 自分にとっての大切なものに気づくこと
- 選ぶ基準を身につけること
- 才能を引き出し、可能性を信じ、夢にチャレンジするアシストする
上記3つです。
こうした視点で教育に携わる人が当たり前になって欲しいと願います。